あらゆる空間・体験がVR化されるのは必然
インターネットが登場し、GoogleやYahooなどの検索サイトが発達したことで、あらゆる情報がテキスト、写真、動画に変換されウェブ上でアクセスできるようになりました。今やだいたいのことは検索すれば知識を得ることができます。
そこに新しくVR=空間・体験が追加されたと考えてよいでしょう。 写真、動画は平面ですが、VRは立体的になり360°見渡せるようになります(必ずしも360°ではないが)。これまでのウェブの世界のように、テキスト、写真、動画がデータ化された流れを考えれば、空間や体験をデータ化されていくことは必然的であり、間違いなく進んでいくことでしょう。
実は360°写真は30年近く前から存在していたようです。VRという概念も1960年代から存在しました(AI、自動運転、ARなどもそうですね)。しかし、有効な活用方法を誰も見いだせなかったり、ソフトやハードも現在のようなハイスペックではなく、有効活用はなかなかされていませんでした。時代が追いついていなかったのですね。
そこにGoogleがMapにストリートビューを導入、世界中の道、そして今ではお店の中までも世界中から見られるようになってきました。そして2016年にFacebookがOculus Riftを買収したことがキッカケになり、VR時代に本格的に動き出しました。
まずは視覚。そして聴覚。そして…?!
人間は現実世界はどのように認識しているのでしょう?
五感というと、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などあります。いずれこれら全てがデータベース化されていくでしょう。このうち視覚と聴覚に対応したのが現在のVRです。いずれデバイスが発達したら匂いを発したり(嗅覚)、リアルな触覚を再現する機器やも出るかもしれませんね。プレステVRを体験した方なら解るとおり、視覚と聴覚だけでもかなりの認識をカバーできます。
マトリックス現実とヴァーチャルの世界を行き来するという世界観でしたが、そんなことも可能かもしれません。
4K、8Kになったら
しかし、まだ本格的な普及には課題も多いです。 VR撮影・開発環境、一般向けVR機器の進化と普及です。
将来、ディスプレイが4K・8Kになってくると、現実との区別がつかなくなるかもしれません。VRは、CGや映像で表現さえできれば、物理的な移動は伴わない「どこでもドア」や「タイムマシーン」になるかもしれません。映画やゲームの世界を見ていると、いずれそのように進化しそうですよね。ストリートビューはある意味それを実現しています。
リアルすぎて、没入しすぎてヤバイ、現実かVRかわかなない、なんて事に、ならないように各社工夫はされるでしょうけど。
ストリートビューで見せると満足して来てくれなくなる?
中まで見せちゃうとそれで満足して来てくれなくなるのではないか?というご心配をたまに聞きます。
人間は五感で満足する生き物です。視覚で満足しても、残りの4つは満足していません。見てたら触れたくなるし、匂いや感触で体験したくなる。
1人の人間が一生のうちに訪問できる場所にも限界があります。スーパーセレブで自由に世界中を移動できたとしてもです。経済的に、体力的に、もしかたら、雰囲気を体験できただけでよしとする人も中にはいるかもしれません。しかしそれはそれでOK。訪れられなくても良い印象が得られれば脳内に残ります。人に話してくれたり、いつかは行ってみようと脳内リストに刻まれるでしょう。
僕らはAI?世界がVR?
そもそも私は科学や技術に詳しくはないのですが、AIやVRの世界を垣間見ると、僕ら自身がAIのプログラムなんでは?と思うこともあります。
AIは正しい情報をたくさん学習すればするほど強く正確になるというのは赤ちゃんから大人になるにつれ経験し学習し大人に育っていくのと似ています。人間が人間を参考にAI作るからなのか、そもそも人間がAIのように何者かに作られた存在なのかはよく解りません。機械はほぼ無限に学習できますが、人間に体力や寿命があるのは暴走を防ぐためかもしれません。それでも戦争や紛争、経済事故が起こるのはプログラムの暴走かもしれませんし、それも結局学習して修正しようとします。
VR、ARデバイスはどんな形??
※Googleイメージ検索より
未来はどんなデバイスでVRを楽しんでいるのでしょう?
個人的には2種類に分岐していくのではと想像しています。 ひとつはモバイル型でARと融合していくもの、もう一つは本格的な没入感やビジネスで利用できるハイスペックなものの2通りです。PCや携帯の歴史を見ると、恐らく世界中の開発者さんもそのようなものを描かれているのだろうなと思います。
モバイル型はGoogle Glassがかなりイメージに近く、手ぶらで、音声で操作できるようなものになっていく。でも両目用になるのだろうか?両目だと邪魔くさかったり、注意力が落ちて事故も起こしやすいし、ドラゴンボールのスカウター型で片目型も案外あるのではないか。
家庭用、業務用は外で利用するにはデカかったり見た目が仰々しいかもしれないがハイスペックで、映画やゲームを楽しんだり、業務シュミレーションや会議に使ったり、といった用途。
次の10年が始まっている
ここ最近の動きを見ると、次の10年が始まっているなと感じている方も多いのではないでしょうか。AI、VR、AR、IoT、自動運転など、これまで概念はあったが時代が追いついてなかったものが凄いスピードで実現されていっています。
恐らく電気のような道を辿るのだと思います。なんにでもコンセントや電池がついていて、電気で動く、そんな感じで何にでもインターネットが繋がる、ということになりそうですね。
地方のデータベースを充実させる
インターネットの本質は?と考えると、データベースの充実が肝だなとよく思います。
スッカスカのGoogleやYahooだったら、たぶん検索してても面白くないでしょうし今では想像しづらいですが、地方ではまだ前述のテキスト、画像、動画ですらデータベースが充実していません。愛媛県の各市町村を検索しても、情報の量と質に限りがあるなと感じている方は多いのではないでしょうか。 我々VR Labはストリートビューから事業をスタートさせているので、まずは空間データベースの充実から始めていますが、地方創生、外国人観光客の誘致・PR、などを考えると、VRだけでなくあらゆる情報を充実させないと未来はないなと思います。
特に四国のような島国だと、陸続きの県と違って人の流動性がさほど多くなく、地元である程度完結できてしまい、隣県を強く意識することや外から”見られている”という意識は持ちづらくなってしまいがちです。それがほんわかと住み心地の良さに繋がっている部分はあるにせよ、情報に飢えている県内外の人は確実にいると思いますので、特にビジネスをされている方はその辺をもっと意識すべきだなと思います。